私が障害者にならなければ、私はこの先もずっと税金も社会保険料も医療費も払い続けることができた。
昇給しても税金と社会保険料が増えるばかりで手取りが全く増えないことに文句も言わず働いていた。好きな仕事だったから。やりがい搾取だろうが本当に好きだったんだ。
障害者になったため住民税非課税となり社会保険料も僅かなもの。医療費の自己負担はゼロになった。
そのうえ今は障害年金も申請しようとしている。
私はいい。
もともと人付き合いなど好きではなく社会に出なくても人と関わらなくても平気で生きられる人間だから。
そんな私が生きるための税金は国民が払ってくれる。
今後私はこの国の社会保障に寄生して生きていく。
そういう道を選んだ。
そういう道しかもう残されていないからだ。
「できない」と言った仕事を除けてもらえればそれだけで私は働き続けることができた。
どんなに頑張ってもできないことを、好きな仕事しかやらない、他の人は頑張っていると言われた。
それはその通りだ。できない私が悪い。恨んでいるわけではない。
けれど結果的にもう社会に出ないで生きる道を選んだ。
障害者になって1年。その間にかかった医療費100万円(立ち耳の手術費用とか歯の治療費とか)はすべて税金と国保の保険料が払ってくれた。この先も払い続けてくれる。
どこかでおかしいと思いながら、社会で受け入れられず働けないのだから仕方ないと思うしかない。
ほんの少し配慮があれば。ほんの少し寛容であれば。
もうそんな余裕もこの国にはないんだろう。
責任を負わし、できないことを追い詰め障害者を増やし、増税に苦しむことになる。
苦しめばいい、と思う自分がいるのは確かだ。